お金のこと

【毎年の年収も公開】在宅フリーランス6年間の経験と一番重要だと思うこと【映像クリエイター】





2013年の1月いっぱいで以前まで勤めていた会社を辞め、2月1日から25歳でInovativeWorksとして自営業を始めて早くも丸6年。

独立当時からは子供も生まれ家も買いありがたいことに素敵な取引先も増えてきてちょこちょこ割りのいいお仕事も頂けるようになってきました。

それらの変化に順応しながら生きてきた経過や考えたこと、それらを総合してフリーランスとして一番重要だなと感じていることを書いています。

各所で年毎の年収(売り上げ)もさらっと書いています。

いちフリーランスクリエイターの6年間の収益の流れを見ることができる割と貴重な情報かなと思います。

スタンスとしては、在宅作業、作業はほぼAfterEffects、外注もほぼなしと言う感じです。



四苦八苦の1年目(2013年度)

大学を卒業して就職した制作会社にはもともと2~3年で辞めてフリーランスになる予定で入社していたのですが、友人と靴やカバンのWEBショップをやっていたため、そっちの動きも考えて2年半ほど務めたタイミングで会社を辞め、独立。

辞めた際の流れやコツも記事にしていますのでよろしければご一読ください。

スタートダッシュは最悪

個人としてはなんのツテもなく独立したため仕事はろくにありませんでした。

3ヶ月ほどは所属していた会社からの作業や、大学時代に知り合ったフリーランスの方からの撮影案件、そこからの紹介の結婚式の記録撮影や撮って出しをちょこちょことやっていました。

そうこうしながらも、独立時には100万円近く手元にあったのですが生活費、税金でお金がガンガン飛んでいきます笑
さらに会社員時代の稼ぎが反映された住民税なども重くのしかかってきます。

そんな中でも「これは営業」と言い聞かせ、映像屋の集まるイベントや当時まだ賑わっていたmixiなどで出ていたクリエイター系の飲み会には度々参加していました。

そして4ヶ月目には所属していた会社への出向作業があるさなか、今の奥さんと同棲するということで引っ越しすることに。
※ここで全てのお金が吹っ飛びます。

再就職かフリーランス継続かの選択

お金が本当に無く、オープニング系のCGが作れるところかマッピング系が学べるところで再就職してしばらく修行するのもありかもと本気で考えていました。

そのタイミングで、NHKアートというNHK備え付けのプロダクションの契約社員の求人が出ていました。

ここは仕事内容的に大学時代のゼミのみんなの憧れの会社で、かつゼミの助教授がNHKアートの方と懇意にしているのを知っていたのでここに入るのも面白いなと思っていました。
当時提示されていた時給は手取り26万円くらいだったかと。

しかし、引っ越し先の運気がよかったのか、クラウドソーシングサイトにアップしていた作品に引っかかったところがあり、ここら辺から案件のお話が舞い込み始めます。

結果としては、NHKアートはまさかの採用。

(断るかもという前提はお話した上でしたが間に入ってたデジタルスケープの担当者さんが「会うだけでもお願いします」という流れでした。)

その直後に引き合いになってた案件が正式に決まったため、NHKアートは丁重にお断りして、フリーランスを継続する決断をしました。

この時だけは人生を大きく左右するので大いに悩みました笑

こういう決断が発生したときは、やはりあなたがなりたい目標にいける方にハシゴをかけるべきかなと思います。

地道な種まきが実を結んだ後半

その後紹介が紹介を呼び、結局12月までにトータル480万円ほど稼ぐことができてフリーランスとしてなんとか活動を継続することが敵いました。

在宅を目標としていたため、結婚式の撮影下請けはこのあたりで辞めてしまいました。

このあたりのタイミングで、テレビ系のエディター業も仕事の一環としてやりそうになったのですが、やはり在宅でモーショングラフィックスをやることを目指していたため断りました。

そして四苦八苦の初確定申告をソフトで乗り切ります。

会社所属時には指名でお願いされていた案件もあったのですが、所詮は会社員としての僕への発注だった為、そういうところからは仕事になりませんでした。(あくまで僕のケースです)

ちなみにWEBショップは仲間に任せてほぼほぼ離脱しています。

そのWEBショップのPVが僕のブログで度々出てくるこちらです。

1年目の学びとしては、

自分が行きたい方向につながるハシゴをかけないと、そちらの仕事に依存してしまいどんどん進む方向がズレていってしまう懸念があるため、少しリスクを犯してでも不要な要素は削ったほうがいい結果に繋がりやすいのかもと思いました。

初年度売り上げ・・・480万円ほど

滑り出しの良さにやられた苦難の2年目(2014年度)

2年目は1年目とは対称的に調子にのっていて、最初の3ヶ月は連続で月商60万円を超えるという独立2年目としては個人的にいい成績で始まりました。

この時に「就職しなくてよかった。。。」と安堵しました笑

しかし、いいことばかりが続くでもなく、初めてのやばい状況を迎えました。
この経験によって、無償での受注出向作業は辞めることに決めました。

無理なものは無理と実感

色々合って知り合ったマイナーな歌手さんからMVの無料で一緒にやってくれませんかと依頼があり、僕はそのタイミングで別件の出向作業もしてしまっていた為スケジュールにほとんど余裕がありませんでした。

しかし実績&自分の可能性を追いたかった欲深い僕はまさかの受注。(無料でしかも企画~撮影~編集まで丸投げのやつ。撮影屋じゃないんですが笑)

さらにその後調子に乗って追加で、軽めだからという理由で別からの案件を他にも2件受けてたりもしてました。

可能性は追ったほうがいいですが、無謀になると話は変わってくると言うことをここで身をもって知りました。
本当に無理なものは無理でどうしようもないです笑(しかし基本的には全部こなしました。)

撮影までなんだかんだで終えてラフを送った段階で、もっとアーティスティックにしたいだなんだという要望が出てきて、忙しさで余裕も無かった僕は「ここで戦わないと死ぬな」と思い抗議のメールを送り、結果素材を渡してあとは任せることになりました。

こんなハンパに降りたのはこれが最初で最後です。恥を忍んでここに記します。

この年には、販売用の素材を作ってみたり、niconico動画で素材をアップしてみたりYouTubeのチャンネルを作ってみたりといろいろと頑張っていました。
それをずっと継続していれば今頃かなりの売り上げにつながっていた可能性はあるなと少なからず後悔しています。

そんなこんなで結婚もしたりしてこの年は570万円くらい売り上げてなんとか乗り越えました。

2年目の学びとしては、

もちろん「戦うべき時は戦う。無理なものは請け負わない。」という鉄則です。

また、やりたいことをやるための時間は目標を設けてしっかり作るということも重要だと感じました。

しょうもない案件でその時間を潰してしまっていいのだろうかと自問するのは大事なことかもしれません。

2年めの売り上げ・・・570万円ほど

順調に売り上げを上げた3年目(2015年度)

この年は1人目の子供も生まれ、売り上げも順調に上げていけてたと記憶してます。

このくらいから、子供の将来や自分たちの老後などのことを考えて節税と投資に興味が出てきて勉強を始めました。

そして、勉強の結果この年の年末くらいに「小規模企業共済」を始めたことが、今思えばこのブログの当初のネタ元の構想のひとつになりました。
この年が665万円ほどの売り上げと、毎年着々と上がっています。

小規模企業共済は、節税効果は高いですが資金拘束期間が長くなってしまうので、自己投資や設備投資で売り上げを伸ばした方が効率がいいと言う人も多いです。

あなたのスタイルに合った運用を検討をされるといいのかなと思います。

僕自身、着々と上がっている要因が気になったので、解析していずれ別記事にて書きたいと思います。

3年目の学びとしては、

フリーランスとはいえ、経営なので節税の知識はもっと早くから学ぶべきだったなと実感。

学んだことは実行に移さなければ当然ながら反映されないので、なんでも始めてみることは重要だなと小規模企業共済の手続きをした時のドキドキ感を通じて感じたことを覚えています。

3年めの売り上げ・・・665万円ほど




最高売り上げの4年目(2016年度)

この年は2019年までで最高売上をあげた年でした。

過去のつながりがかなり活きた年で、こんな条件が揃っていたからかなと分析しています。

・初期に知り合った方からの準レギュラー的な案件

・イベントで知り合った方からの準レギュラー的な割りのいい案件(後半から)

・もう一件割りのいい準レギュラーを獲得できたこと(後半から)

・ボリュームの割にギャラがいい案件が比較的多かったこと

全て、クラウドソーシングサイト活用とイベント突撃大学時代のつながりが産んだ収益です。

VideoCopilotイベントの1回目(2014年)で知り合った方から準レギュラー的な案件を頂いたのですが、そこでもつながりの大事さというのを実感しました。

また、この年はVideoCopilotの日本2回めのイベントがあり、そこでもサクッと100万円ほどの案件になるつながりを得ることができたりしました。

こういう大きなイベントには自信のある作品を持って突撃するべきですね。

フリーランスはつながりが本当に大事になるなと骨身にしみた年でした。

4年目の学びとしては、

やはりフリーランスにとって、つながりというものが非常に重要な要素の一つなんだなと実感しました。

定期的にイベントや業界の飲み会を探して参加することで自分の深層心理にも何かいい働きが発生するのかもしれません。

4年めの売り上げ・・・こちらの記事で!

戸建購入の打ち合わせでてんてこまいな5年目(2017年度)

2016年に売上が大きかったため、自宅の購入を視野に入れました。
子供が2人or3人の可能性を考えて妻と色々話した結果、学区の問題や妻の戸建購入の夢(みたいな雰囲気)を考えて購入することにしました。

フリーランスの場合は、住宅ローンの手続きで特に直近の所得を見られます。

このタイミングで買うことができれば以後、所得という社会的信用を無駄に高める必要がなくなり、翌年以降激し目に節税対策をして無駄な税金を払わずにすむかなという腹づもりもありました。

この顛末もいずれ別記事にできればと思うのですが、とにかく打ち合わせのことや理想の間取りの調査、購入する前には戸建がいいのかマンションがいいのか、はたまた賃貸のほうがいいのかなども調べまくって全然仕事どころじゃありませんでした。

あとはとにかく住宅ローンのやりとりがめちゃくちゃめんどくさいです。

いろいろ動き出しが遅かったせいで損をした気がします汗(それも併せていずれ記事で。。)

この時、手持ちで1000万円ほどあったのですが、それが無ければいろいろ詰んでたかもしれないこともあり、こういう面でもフリーランスは動かしやすい資金をある程度持っておく必要があるなと実感しました。

そんなこんなで案件をセーブして動いたこともあった割には757万円ほどと悪くない稼ぎを得ることができました。もう家を買ったので節税もバンバンできちゃいます。

5年目の学びとしては、

フリーランスにとって、社会的信用とはそのまま「お金である」ということをむざむざと実感しました。銀行に借りられる金額もある程度限られます。

あとは注文住宅を建てるのは結構大変ですよ。

2017年の売り上げ・・・757万円ほど

過去のつながりの成長&いろいろ動いた6年目(2018年度)

無事に家も建ち「新しい環境で制作に取り組みましょう!」と思った頃から、取引先に大きめの会社が増えてくるという現象が起きてきました。

大きめの会社は労働時間にも割と気を配ってることが多いようで、健全なおつきあいをすることができます笑

この頃には、準レギュラー1件がすでに終わっていたのですが、また過去の繋がりから別の大手代理店のレギュラー案件が始まるという奇跡。

そして2人目の子供がここで生まれました。

また、初期からあった準レギュラー案件はブラック具合がひどく、いろいろと相当厳しい案件で生活に全く合わない時間に連絡や作業が発生することが多かったため、キリのいいところまで付き合って納品が完了した段階でこちらからお断りすることにしました。

ちょっと調子に乗ってるんじゃないの?

なんて言われてしまいそうですが、何と言っても2人目が生まれたことが大きく、この決断をするまでにいろいろ考えた結果、せっかくフリーランスでやっているのにストレスしかない案件を続けるのは楽しくもないし生活にも響くしやる意味がないなと強く思ったためフリーランスの権利を行使させてもらいました。

これができるのがフリーランスの強みです。

この時点でレギュラー1本、準レギュラーは1本という状況でした。

脱クライアントワークを目指す

これも2人目が生まれた影響かわからないのですが、ちょっと過激ですがこのままただ続けていては「フリーランスという名の単なる労働者で終わるな。。」と考え、何かしなければと色々思索していました。

そこで掲げたのが「脱クライアントワーク」という目標です。

こんなことを書いてると離れてしまうクライアントさんが出てくるかもしれませんが笑

そんな中で行き着いたのがこのブログ「InovativeWorks.com」の運営と、映像屋のためのコミュニティ「映像クリエイターズギルド」の設立、あとはあらためて株式や投資信託などの投資でした。

「単なる労働者」を超えていくためにはストック収入など副収入を作る必要があると考え、ブログなどでの広告収入や株式や投資信託での配当所得を獲得する必要があると考えたためです。

そこからはひたすらiDeCoと小規模企業共済のどっちがお得なのか?ふるさと納税についてなど調べて体験しつつ発信を始めています。

お得に学ぶならここら辺のサービスは結構いいですよ。

ブチ終わる

ブログやギルドの運営はもちろん継続していく中で、フリーランスとしては非常に痛いレギュラーと準レギュラー案件の終了という状況に見舞われました。

売り上げでは、年間の5分の2相当の額です。

新年度が近づいてくると、これまでいた担当者の部署替えなどが絡んでくるため、無くなる案件もあるという流れです。こういうこともあるんです。

こういったことを乗り越えつつ、ここで生まれた時間をクライアントワーク以外の生産活動に使いなさいということなのかなと思っています笑

これがフリーランスの弱みの一つで、クライアントワークを完全主軸にしていると生殺与奪権を実質握られているような状況でもあると考えられるんですよね。

そこが脱クライアントワークを掲げる根本になっていたのですが、まんまと実体験してしまいました。

このように脱クライアントワークの環境が整うまではまだ不透明な先行きが続くことが想定されますので、新しいつながりを得るためにイベントなどにはたまには参戦しようと思っています。

つい先日もCrevoNightというイベントでギルドの方々と会うことができたり、そこで得た繋がりから早速新たな案件が生まれようとしています。

6年目の学びとしては、

行動することの大切さクライアントワークはやはり不安定ということです。

行動の大切さについては、6ヶ月間(2019年2月末時点)で以下の数字が全て生まれた訳なのですが、もし行動してなければこれらが全てなかったと考えると行動の重要さを見て取ることができます。

Twitter(@Inoshita0427)はフォロワーさんが30人から770人へ。

・ブログは月に1~5万円の収益を生むように成長。

・ギルドは半年で約290人の方が参加。

2018年の売り上げ・・・991万円ほど




まとめ

※写真に写っているのは僕ではありません笑

フリーランスとして6年間を通じて得た一番重要なことは、やはりこの3点かなと感じています。

・繋がり
・やりとり
・行動

繋がり

案件を頂く際も、仕事が立ち行かない時に助けてもらう時も、何か新しいことを始める時も「繋がり」が肝になります。

やりとり

やりとりの丁寧さはシンプルに重要です。ここがダメならフリーランスとしては生きていけないかもしれません。
メールのやり取り、打ち合わせ時の情報の汲み取りや提案など経験や人柄が試されます。

行動

イベントへの参加や営業、自分に必要な仕事内容の取捨選択など、人生の方向性を決めるのは行動でしかありません。

当たり前かもしれませんが、6年間のフリーランス生活でこれらの重要性が骨身にしみています。

最後に

フリーランスは良いことも多いですが、辛いことも非常に多いです。

年を取れば受注率は大きく下がるでしょうし、優秀な後輩たちが仕事をかっさらっていくかもしれません。内製化が進めばフリーランスに降りてくる案件もグッと減るかもしれませんね。

このようにフリーランスは大きなデメリットも含む決してパーフェクトな働き方とは言い切れませんので、人生感と目標に合った無理のないライフスタイルを築ければ一番なのかなと思っています。

重要なのは”フリーランスでいることが目的ではない”ということですね。

 

僕個人としては脱クライアントワークを目指していろいろと頑張りたいと思っていますので、今後の動向を楽しみにして頂けましたら幸いです。

この記事があなたの何かしらのお役に立てましたら幸いです。




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Inoshita Kazuki
InovativeWorks
フリーランス映像クリエイターの33歳。

実際の経験からフリーランスに必須だと感じたことを主に発信します。
過去の自分に教えたいことをメインに構想を練っています。
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