映像/デザイン

PVとMVとVPの違いとは?映像業界での用語使い分けをフリーランス6年目のクリエイターが解説!




今でもクリエイターによっては「PV」と言ったり「MV」と言う人が分かれます。

公式の動画でもPVとMVを混同していることもあって、混乱したことがある人もいるのではないでしょうか?

さらに映像制作のジャンルにおいては「VP」という「PV」と似たまぎらわしいワードもあり、使い分けをどうしたらいいのか、意味を知らなければもはやわかりません。

ではそれぞれ一体どのような意味でどのように使うのかフリーランス5年目の映像クリエイターの僕の目線を交えてご説明したいと思います。



PVとは?

Promotion Video(プロモーションビデオ)の略です。

この場合はECサイトやブログでWEBコンテンツを収益化に使ってる方には馴染みの強いであろうPageView(ページビュー)の略ではありません。

かつては楽曲のプロモーションの際などにも多く使われていたために、今でもそのように使われることがあり紛らわしいですよね。

ではPVはどのように使っていくべきなのでしょうか?

Promotion(プロモーション)とは?

プロモーションとは、短的に言いますと消費者に対して購買意欲を喚起すること」です。
「販売促進」などとも言えます。

各業種(クライアント)によって変わりますが、下記のような具体的な目的があります。

「普段の来店数を増やしたい」

「イベントを行うため周知して売り上げを伸ばしたい」

「新しいアプリや商品の宣伝をしたい」

これらを解決するためのVideo(動画)が「PV」というわけですね。

僕が制作したこの映像などはECサイトの周知が目的なのでPVとして制作しています。

 

MVとは?

MusicVideo(ミュージックビデオ)の略です。

文字通り「音楽映像」ということで、「音楽のプロモーション」もしくは「音楽を表現」するための映像ということですね。

「MusicVideo」という区分けを世間に広く知らしめたのは、岡崎体育さんの楽曲でありMVの「MUSIC VIDEO」ではないでしょうか。

MVのあらゆる「あるある」を詰め込んでパロディにしたMVで、2016年~2017年頃にテレビなどでも広く取り上げられバズりました。

 

本題に戻ります。

究極的に言えば、「販売促進用ではない可能性も含んだ、音楽を表現するためだけの映像」という意味合いとしての用途ではMVが絶対的な表現になりそうです。

よくCMなどで見る、アーティストの写真やライブ動画の上ないし隣に楽曲名・アルバムジャケットの静止画がレイアウトされて、BGMにはその曲が流れナレーターが「○月○日リリース!」などと言うような映像はジャンルでいうとPVになりますね。

さらにその中ではMVを一部切り取ったものが使われている場合があります。

この場合はCMとして流されたPVの中で使われているMVという感じでしょうか笑

※CMとは、CommercialMessage(コマーシャルメッセージ)の略

このあたりからMVと言う言い方での発注や案件の募集が増えてきたような気がします。

 

VPとは?

VideoPackage(ビデオパッケージ)の略です。

主に企業VPなどと言って使われます。

どういったものかと言うと企業が特定の目的のために制作する映像のことで、具体的には以下の用途が挙げられます。

・プロモーションビデオ

・イベント用映像

・営業ツール

企業VPとよく言われてはいますが、各市町村などの紹介映像や、学校などの教育機関での用途で制作されたものも含まれるようです。

この言葉は映像クリエイター以外ではあまり馴染みがないかもしれませんので、一般職の方に言うと、もれなく「何それ?」という反応が返ってきます。

新卒採用の場で使われているものや、企業のWEBサイトでよくある「私たちの歴史」的な映像がまさにVPにあたります。

マーケティング手法の言葉でも(Visual Presentation(ビジュアルプレゼンテーション)を略してVPということがあるようですので、マーケターの方と話すときには注意が必要かもしれません笑

※この場合のVPはショーウインドウやファサードなどでよく見られる飾り付けたマネキンや個性的なオブジェなどがあたります。




まとめ

MV公開の際を例にしてみると、やはり昔使われていただけあって「MV」と混同して使われているという視点から見ると「楽曲を周知するためのビデオ」ということで「PV」も意味合いとしては間違っていません。

なんなら正しい使い方とすら言えます。

というか実質同じです。

 

ではなぜわざわざ違う言い方をするのか?おそらくは下記のような理由が考えられます。

・代理店の人がかっこつけて分けて言いたいだけ説

・プレゼンや提案の際に、細かく区分けしたほうがダイレクトな訴求が期待できる

・PVよりはMVのほうが予算が少ない傾向があるため、予算交渉で心理的な効果を狙っている

 

また、5年間フリーで映像クリエイターをやってきた肌感としては、ざっくり以下の定義での使い分けがシンプルな考え方かなと思っています。

・アプリや製品、サービスなどをプロモーションするための映像として制作する場合には「PV」

・楽曲に対してつける映像は「MV」

・企業が企業の歴史やプレゼン、イベント用途などで制作するものは「VP」

どのような映像を制作されているんですか?と質問された際には

イノシタ

企業VPやPV,MVなどが多いです。

などと答えることが多いですが、その意味合いを把握していないと突っ込まれた時に面倒なので軽くは説明できるようにしておくといいでしょう。

今後の時代では、ここにさらに映像屋が使うワードとして下記が頻出単語になるかもしれません。

「PM (ProjectionMapping / プロジェクションマッピング)」

「VR (Virtual Reality / バーチャル・リアリティ)」

「AR (Augmented Reality / オーグメンテッド・リアリティ)」

「AI (Artificial Intelligence / アーティフィシャル・インテリジェンス)」

いずれも時代を担うワードになりますので、併せて知っておくとちょっと知っている人に見えるかもしれませんよ。

 

それでは、あなたの良き2文字略語生活を心より願っております。






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Inoshita Kazuki
InovativeWorks
フリーランス映像クリエイターの33歳。

実際の経験からフリーランスに必須だと感じたことを主に発信します。
過去の自分に教えたいことをメインに構想を練っています。
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