映像クリエイターって、もっと単価が高くてしかるべきじゃないでしょうか?
僕はめちゃくちゃ割の悪い単価も受けたことがありますし、割のいい単価も頂いたことはありますが、会社員としてもフリーランスとしても映像制作をしてきた身として、
と思うことは一度や二度じゃありませんでした。
そんな思いから、過去にこんなツイートをしたところ反響を頂いたことがあります。
映像クリエイターってかなり多様なスキルが求められるのでもっとお金もらえてもいいのでは。
実写知識
モーションデザインセンス
レイアウト
フォント(タイポグラフィ)
カラー
読解能力
対応能力
エンコード知識
ソフトウェア/ハードウェア知識
ストレス耐性
スケジュール管理
etc.他にもありそう。
— InovativeWorks@自営クリエイター向け資産構築のススメ (@Inoshita0427) January 24, 2019
この記事では、そう考える理由をまとめていますので、価格交渉が難航した際にそっと当記事のURLを貼って相手に送り付けて頂ければと思います笑
では、なぜそう考えるのかを早速解説していきます。
映像クリエイターの単価がもっと上がっていい理由
ずばり、ただ制作スキルがあればいいわけではなく、デザインやリテラシー、PC知識やストレス耐性などそもそも難しいソフトを扱っているのにさらに複合的なスキルが必要になるため、もっと評価されてしかるべきだなと思っています。
では、その必要なスキルを羅列していきたいと思います。
・実写知識
・モーションデザインセンス
・レイアウト
・フォント(タイポグラフィ)知識、センス
・カラーマネジメント
・読解能力
・対応能力
・エンコード知識
・ソフトウェア/ハードウェア知識
・ストレス耐性
・スケジュール管理
・音編集
それぞれ簡単にご紹介していきます。
実写知識
モーショングラフィックスを扱う人間ですら、テレフレや点滅のし過ぎはNGなど、気にすべき点が多々あります。(これはテレビベースの知識ですね。)
実写をメインで扱う方なら、カラーグレーディングから撮影手法からそれだけでもかなり多様な知識とセンスが求められます。
ホワイトバランスとかフリッカーとかシャッタースピードなど、知ってないとやり取りができないこともあったりしますね。
モーションデザインセンス
モーショングラフィックスを扱う場合、気持ちいい動きを作るためのセンスや技術、そのための知識が必要になります。
これを習得するためには「才能という非常に稀な価値」か、「圧倒的な視聴による蓄積か経験」が必要になります。
これだけでも価値は計り知れません。
レイアウト
文字や素材の配置にあたって、適当に置けばいいだけでなくデザイン的なレイアウトの知識が必要になります。
デザイナーが素材を作ってくれるような案件であれば問題ありませんが、映像屋がこれをやることもかなり多いです。
なんならこのパートが一番苦しいという人も少なくないはず。
フォント(タイポグラフィ)
タイポグラフィの知識とセンスまでもが必要になってきます。
これがまた微妙な調整が必要な繊細な作業で、ある程度の勉強と経験が必要なスキルです。
カラーマネジメント
これは今でこそ便利なサイトやサービスが増えてきていますが、一般的なルールや「この映像の雰囲気ならこの要素は紫だな」みたいな経験からくるものが地味に効いてくるので無くてはならないスキルです。
読解能力
これはクライアントからの指示書や、指示メール、レギュレーションの理解、対応力が主に上げられます。
また、担当者のあいまいな言い回しやメールの微妙な感情を読み取ることで仕事を円滑に進めたりすることもしばしばなので、欠かせない能力といえます。
もちろんこちらが書く文章も相手に伝わりやすいように考える必要があります。
対応能力
無茶ぶりや、こちらの意図が無意味になるような指示が来た時に、いかに自分を殺しつつやんわり受け入れることができるかも重要なスキルです。
しかし、時には跳ね返さなければいけないものもあり、その辺の微妙なわびさびも人間的に高いスキルが求められます。
あとはクライアントが何を求めているのかを把握して、重視するものを決定するという対応力も要ります。
エンコード知識
Youtubeならこの形式、インスタならこのサイズ、中間コーデックに最適なのはこの形式、ビットレートは、、、
など割と複雑で、これだけでも仕事になるんじゃないかという知識です。
ソフトウェア・ハードウェア知識
映像を制作するソフトの知識はもちろん、それを効率的に扱うためのパソコンの知識や、効率よくデータをしまうためにHDDやSSDなどの知識も必要になります。
そのためか、映像を作る人にはパソコンを自作できる人も少なくないようです。
ストレス耐性
度重なる修正や、クライアントの無茶ぶり、エラーが続くソフトウェアの挙動、うまくデザインやモーションが思いつかなかったり決らなかったりするときのフラストレーションなど、パソコンの前にいるだけでここまでのストレスにさらされる職業はきっとそう多くはないはずです。
スケジュール管理
タイトなスケジュールも多かったり、そもそもよほど割のいい案件でもなければ1本受けるだけで充分食っていけるような金額では無いこともあるため複数案件が重なったりします。
その際に、生活とのバランスを考えつつどの案件を優先して、どう進めていくかという管理ができないとすぐに詰んでしまう上、性質上納期もシビアな案件が少なくないため、何らかの事情で納品が遅れるようなことがあったら非常に大きなリスクにさらされます。
リスクが大きい仕事は単価も高くあるべきです。
音編集
BGMの編集知識や技術、曲の選定センス、SEをくみ上げるセンスなど映像において非常に重要な役割を果たす音源の扱いにもある程度長けている必要があります。
探すのにも少なくない時間がかかるため、ここは意外と侮れない要素です。
お金の知識
見積を出したり、請求書を作成する知識はもちろんですが、節税などの知識も無いとせっかく働いて得たお金が無駄に出て行ってしまうので学ばなければいけません。
フリーランスなら確定申告に向けての知識も必要になります。
このように、ざっと上げただけでもかなり高度な知識とスキル群が求められるので現状の映像業界はもっと単価が上がってもいいんじゃないかななんて度々思う次第です。
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まとめ
映像クリエイターは非常に複雑なスキルのもとに成り立っている職業だということがお分かりいただけたと思います。
映像業に限らず、クリエイティブ業やその他の仕事でも人間的なスキルにおける大変さは同様にあるのでしょうが、映像制作はまず前提として「映像制作という高い技術的ハードル」があるというのが一つあります。
特に、制作的なスキルはもちろんですが人間的なスキルも非常に重要なのが大変なところです。
なので映像クリエイターとして生きている人には
人間的なスキルをしっかりもっていて
パソコンの知識もあり
映像の専門的な知識もある人
が多く存在しているということになります。
たしかにいろんなイベントに参戦したり、Twitterでのやりとりやギルドを運営していろんな方と絡ませて頂く中で、映像関係の人は「人間性が優れている方が多いな」と感じています。
「映像クリエイターが民度が高い」というよりは、「民度が高い人が映像クリエイターを選びがち」という流れなのかもしれません。
もちろん、話を聞く限りは一定数ヤバい人もいるようですし、僕も被害にあったことがありますが。。笑
ただ、これから映像クリエイターを目指される方へお伝えしたいのは、それぞれに対して専門的な訓練が必要かというと意外とそうでもなく、いろんな経験を積むうちに身についていくものではあります。
なのでこのスキル群を必要以上にプレッシャーに感じないでまずは目の前のことに取り組まれるのが良いかなと思っています。
ということで、映像クリエイターに安い単価を出しがちなクライアントへのプレッシャーを向けつつ、これから映像クリエイターを目指す人に多少の予備知識をお伝えすることができていれば幸いです。
これから確実に伸びる業界ではあると思いますので、自信をもって飛び込んで頂ければと思います。
それでは、あなたの映像クリエイターライフを心より応援しております。