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小規模企業共済を20万円損してでも任意解約した理由

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弊記事では小規模企業共済についてアツめにフォローしていますが、2年ほど加入していた小規模企業共済をいろいろ勉強して投資なども併せて知識が付いてきた結果、2020年の4月頃に20万円の損をしながらも任意解約しました

そのあたりの理由を当記事では解説していきたいと思います。

また、

・じゃあどういう人なら小規模企業共済をやっていればいいのか?
・貸付制度を活用したらどうか

なんて悩んだ流れについてもお話したいと思っています。

流れとしましては

1.任意解約した理由
2.辞める時にどのくらい時間がかかって実際いくら返ってくるのか
3.じゃあ逆にどういう人がやるべきと考えるか

という順番で進めていきます。

もしそもそも小規模企業共済ってなによ?という場合は以下の記事からメリットとデメリットなどをご覧頂けましたら幸いです。

損なく資産形成に取り組むためにも大事な考え方になりますので是非最後までお読み頂ければ幸いです。

また、今回の情報はYouTubeの方でも出させてもらっていますのでBGM的にお聞きいただく場合は以下をご活用下さいませ。





小規模企業を解約した理由

小規模企業共済を20万円損してでも解約した3つの理由【体験談】のイメージ画像まず、加入してからいくらくらい掛金を入れていたのかだけ軽く触れておきますね。

結果から言いますと始めた時は月7万円で始めて、途中で1万円に減額して2年程度の合計で101万円の払い込みとなっていました。

任意解約した理由についてですが、理由としては3つありまして

・投資(自己投資/設備投資/事業投資/金融投資)の方が効率がいいと考えた
・資金拘束を嫌った
・固定費を下げるため

というのが大きいです。

順番に数字などを交えて解説していきますね。

理由1.投資に回した方が良いと考えた為

まず「投資に回した方が効率がいいと考えた」についてです。

小規模企業共済は掛金が全額控除になります。
なので小規模企業共済における利点は、

貯金しながらその全額が控除になりつつ最大20%増えるので、
無駄にお金を使わずに退職金を積み立てながらさらに受け取り時も退職所得控除で有利に受け取ることができるということがあります。

しかし、

仮にもしこの掛金を三分の一ずつ事業投資と自己投資、投資信託などの金融投資に回したら

小規模企業共済だけに入れ続けた場合と比較してどっちがリターンが期待できそうだと思いますか?

ちょっと数字にしてみたのでご紹介しますね。

もし20年小規模企業共済で毎月7万円積み立てた場合のリターンは課税所得400万円の場合で金額で言えば1960万円ほど、合計節税想定額が480万円ほどで合計2,440‬万円となります。

退職金として受け取る際は退職所得控除を引いた1830万円程が想定されますので、実際に受け取れる額では1830万円でプラス節税額480万円で

実質的に得られる価値は2310万円が想定されます。

このうち元本は1,680‬万円なので小規模企業共済に20年入れた場合では630‬万円の純利益になるみたいな感じです。

では仮に、金融投資と自己投資、事業投資といった投資にこの同額を3分の1づつ回した場合いくらになるのか?

これはさすがにケースバイケースすぎるのでリターンは出せないんですが、

金融投資だけで見た場合の数字を出しますと、7万円の3分の1は23,333円ですので、それを20年間平均5%で運用出来たとすると元本560万円にたいして960万円ほどになるというシミュレーション結果になりました。

小規模企業共済はトータルの純利益630万円でしたが、投資だけでその3分の1の金額を5%の運用としても400万円増えてます税引き後では+319万円ですね。

小規模企業共済で得られるはずだった価値の2310マン円-投資で得られる960万円=1350万円になりますが、

その額を自己投資と事業投資で年間それぞれ28万円(それぞれ23,333円×12ヶ月)ほど使った場合20年で1350万円以上の価値が得られればいいわけです。

かみ砕くと月に5.6万円くらいの収入(獲得価値)の増加ですね。

ちなみに、全額投資信託などで運用したとして年率5%なら現時点の株などでの収益への税率約20%の税引き後で2300万円ほど。

控えめに3%で運用できても1840万円ほどになります。

これについては以下記事で投資だけなら何パーセントで運用出来れば小規模企業共済に勝つのか?という比較をがっつり計算してますので、よろしければご覧くださいませ。

小規模企業共済の1830万円の手取りより年率平均たった5%で運用できるだけで500万円多く受け取れて3%なら10万円程度多く受け取れるようなイメージになります。

そのうえで、インフレリスクには投資の方が強いということもあります。

残りの事業投資と自己投資については、以下の可能性が見込まれます。

事業投資・・・本業の効率が上がって時間が浮いたり時給が上がったり仕事の幅がひろがる可能性

自己投資・・・人間的な成長も取れて複合的に価値が上がることで稼ぐ力が上がる見込が高い

そして、事業投資と自己投資に使ったお金も控除ではないですが経費になりますので、節税効果って言っていいかわかりませんがもちろんある程度の税金の軽減は見込めます。

控除より経費のほうが個人事業税は低くなったりしますので金額に対しての節税率は高いかもしれないとも思っています。

なぜ控除でなく経費の方が個人事業税が低くなるのかは個人事業税の解説動画をご覧いただければお分かりいただけるかなと思いますのでよろしければ見てみてください。

理由2.資金拘束を嫌った

次に、二つ目の理由の「資金拘束を嫌った」についてです。

小規模企業共済は最低でも20年預けないと任意解約の場合は元本割れしてしまいます。

一つ目の理由の「投資での運用」なら基本的に使えるお金は自由です。投資信託なんかにしてもお金が必要になったら売ればいいですしETFや配当が出るものでしたら年に数%配当があったりもします。

あと、小規模企業共済は最大でも20%しか増えませんので、インフレが20年後とか退職するタイミングまでにかなり進んでた場合、預けてたお金が逆に実質的に減ってるなんて可能性は個人的にはかなりありうると考えています

これは海外のインフレに伴って米国などの株価が上がっていた場合に小規模企業共済に入れる分を米国株に入れておけばその株高にも乗れるという意味で、機会損失にもなるという意味合いも含みます。

わかりやすくかみ砕くと、今1000円で売られてるものは税金を考えないで1万円で10個買えるとして、

二十数年後にその1000円のものが1500円になってたら1万円では7個買えない計算になります。

消費税など税金が上がってたらもっと少なくなる可能性も考えられます(というか今後の超高齢化社会において避けられない予感はしています)ので税制度とか中小機構の運用率が変わらない限り割と上記の懸念は可能性としては低くないことだと考えています。

ただ、小規模企業共済の場合は低金利での貸付制度というものがあります。
年1.5%という低利率で借りられるのでその資金拘束の解消に向けてこれを使うのもアリかなとはひとつ考えられますよね。

実際、今回小規模企業共済をやめると考えたときに、任意解約だと20%くらい減ってしまうので、

むしろやめずに加入は続けて「節税の恩恵」を受けつつ「低利率をいかして貸付制度」でかりて「投資でより高い利率で運用」出来たら一番無駄がないかもな

なんて考えた瞬間もありました。

しかし、借入をして金融投資なんてしてたら相場の暴落なんてあった日にはたまりませんし、何より投資は余剰資金でという鉄則があるのと、そんな運用方法は過去の自分になんて絶対薦めらないし、ましてやほかの人にまで進めるなんて絶対できないなと思って普通に任意解約することにしました。

リスクが取れて資金管理がちゃんとできる人にはおもしろい手法かなとは今でも思ってますがオススメはしません笑

理由3.固定費を下げるため

最後に、3つめの理由の固定費を下げるためです

これはそのままなんですが、フリーランスとして生存率を上げる上で、固定費はできるだけ下げておきたいという思い(というか事実)があります。

それこそ、2020年4月半ばなどはコロナウイルスのパンデミックによって世界経済が落ち込んでいましたが、そういった際に不況によって仕事がバンバン減っていましたし、そうでなくてもフリーランスなんて平時でも普通に仕事が1ヶ月ほとんどないこともあったりするので、

月々の固定費としての保険とか小規模企業共済なんかの掛け金とかが重くのしかかってきます。

これらがどうしても必要なものであればかけ続ける価値はあるんですが、ここまでにお伝えした2つの理由プラス保険もいらないと解説した記事もあります通り、マストでないものは削ったほうがいいなというところにいろいろ考えたり計算した結果落ち着いたという感じです。

もちろん減額や借入と言う手はありますが、減額すると運用面での計算がややこしくなるという点があります。

これは6万円減額した動画のデメリットのところでお話しているんですが減額してまた落ち着いたら上げるっていう手間とデメリットをどうとるかっていうところになると思います。

現時点では、控除系の節税においては僕はiDeCoをずっと3万円でやっているんですが、今後もしもう少し節税したいなと言うときはイデコに入れようと思っています。

iDeCoなら運用の利益も非課税で取れて小規模企業共済同様に全額控除になるので満額の7万円になるまではまずはここからかなと思っています。

辞めた際にどのくらいで解約手当金が振り込まれていくら返ってきたのか

僕の場合は書類を送ってから18日ほどで解約手当金が振り込まれていました

解約手当金については、当然減った金額で振り込まれます。
僕の場合は101万円の拠出で80万8000円の解約手当金でした。

予定通りしっかり20%引かれてる感じですね。

これにまつわる詳しい流れや必要書類、注意点などについては「小規模企業共済解約の体験談、注意点、辞め方解説の記事」にてまとめておりますので解約される予定の方は是非ご一読下さいませ。


どういう人がやるべきと考えるか

では、最後にどういう人が小規模企業共済をやるのがいいと考えるかについてお伝えしておしまいにできればと思います。

今回辞めた理由でお伝えした、

・投資に回した方が効率がいい
・資金拘束を避けた
・固定費を下げるため

ということを考えたら「じゃあ小規模企業共済はいらないの?」って思うかもしれませんが、そのあたり僕が考えたことをお伝えさせて頂きますね。

小規模企業共済の利点としては、

・銀行よりは増えるし
・全額控除になって
・なにより暴落時でも減らない

という利点は今回コロナによる大暴落を経験してみて安心感があるなと思いました。

そのあたりを踏まえて、どういう人が小規模企業共済をやるといいと考えるかについては以下条件の人かなと思っています。

・iDeCoを全額掛金を入れているけどさらに節税したい人
・課税所得が900万円を大きく超えている人
・そもそもリスクのある運用は絶対したくないけど節税したい人

iDeCoを全額掛金を入れているけどさらに節税したい人

idecoを全額入れていれば年間84万円の控除になりますので、その上で運用ができていれば言うことないですよね。
しかも利益が非課税ですので退職金と見てもどうせ引き出せないならiDeCoで十分と考えられます。

課税所得が900万円を大きく超えている人

課税所得が900万円を大きく超えている人は大きく超えた分に対して33%,40%とどんどん累進課税で税率が上がっていきますので、稼ぎの効率も考えるとそのくらい稼げる人は

若いうちにできるだけ無駄に払う税金を少なくしつつ稼ぎきってあとあと投資に移行する

というスタイルも王道の一つだと思っています。

そもそもリスクのある運用は絶対したくないけど節税したい人

そもそもリスクのある運用は絶対したくないけど節税したい人にとってはリスクがほとんどなくて最大20%増えて全額控除になるなら悪くない運用ですよね。

ちなみに、計算してみたのですが節税込みの20年での年率平均運用率(IRR)は5%ほどでした。
35年加入の場合ですとIRRは2~3%程度に激減してしまいましたので、できれば20年で一区切りとするのが一番効率がいいかもというのはあります。

銀行に預けてるだけではインフレリスク(&対外株式に対する機会損失)を考慮すると日本円という商品を運用しているのと変わらないので、そこをどう考えるかという要素は忘れない方がいいです。

そういう考えの方でもiDeCoとつみたてNISAくらいはやってもいいんじゃないかなと個人的には思いますが、投資は自己判断ですし、何より今後30年とかにおいて不況が長く続いたら運用しないという判断が正解になるという可能性もゼロではないので、各々の人生設計と考え方次第かなと思っています。

まとめ

というところで、

・小規模企業共済をやめた理由
・辞めた際のサクっとしたお話
・やるならどんな人がいいと考えるかに

ついて解説させて頂きました。

今回お伝えしたことは投資で利益を上げられることを前提にしていることと、あくまでも税務の専門家ではないいち個人が小規模企業共済をやめた理由ということですので、そこだけご承知頂ければなと思います。

個人的には今回お伝えした考え方のほうが信じられると思って行動したまでですので、今回の情報があなたのお考えに合うようでしたらあくまでも自己判断、自己責任にはなってしまいますが是非今後の運用判断のご参考にして頂ければ嬉しいかなと思っています。

今後もフリーランスのお金のことや今回のようなフリーランスにおいて知見になるような情報を出していきますので、まだでしたら是非ブックマークなどをしておいて頂ければ思います。

また、少しでもいいなと思ってもらえましたらSNSでのシェアなども大変励みになりますのでお願いできましたら大変幸いですm(__)m

それでは、あなたの最高な資産運用ライフを心より応援しております。


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Inoshita Kazuki
InovativeWorks
フリーランス映像クリエイターの33歳。

実際の経験からフリーランスに必須だと感じたことを主に発信します。
過去の自分に教えたいことをメインに構想を練っています。
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