フリーランスになるのは簡単ですが、その先のお金のこと(税金,健康保険など)は結構調べないと難しい領域だったりします。
がむしゃらに働いて稼ぎまくっていればそんなにセンシティブに知っておく必要もないかも知れませんが、そうもいかないのも世の常ですし知らないと損することも多いです。
なので、これからフリーランスになる方、今すでにフリーランス(特に非法人)だけどこんな悩みをお持ちの方にはぜひともこの記事でお知りおき頂ければ幸いです。
というのも、結論も兼ねますが僕が少し前にしたこのツイートが少しご好評頂いていたので意外と気になっている方が多いのかなと思ったからです。
(今見ると厳密にはもう少し安くできますね汗)
フリーランスクリエイターは、安くする努力をした上でも1年間にこのお金が最低限かかるというのをお忘れなく?
国民年金: 196,080円
文芸美術国民健康保険: 235,200円
Adobe税: 29,800円✅合計: 461,080円
この数字は人によりけりですが、ここに住民税と事業税もかかってきますね。
— InovativeWorks@フリーランス&お金にコミットできる人を増やしたい (@Inoshita0427) February 28, 2019
実際にはこのつぶやき+所得税や消費税なども絡んでくる場合があります。
この記事では、その辺りを把握しつつ少しでもお得にできるようにご紹介できればと思っています。
✔︎実際の僕のケースをご紹介
✔︎絶対かかるお金とお得な取り入れ方
✔︎条件次第で発生するお金
僕のケースで支払いの実例をご紹介
結論じゃないですが、先に参考としまして平成29年度に下記条件だった僕の実際のケースで金額感をご紹介したいと思います。
所得・・・505万円
課税所得・・・390万円
青色申告65万円控除
※これまで売り上げ1000万円は超えていないので消費税の支払いは発生していません。
国民年金・・・196,080円
住民税(特別区民税)・・・340,000円程度
所得税・・・還付で約500,000円程度
個人事業税・・・約82,500円
国民健康保険(文美国保)・・・235,200円
Adobe税・・・64,540円(この時はまだアカデミック取り入れておらず。。)
合計・・・918,320円(還付分は抜いた支払いだけの金額)
計算ミスをしていなければ、税金まわりで920,000円近くも持ってかれてました。。
恐ろしい。。。
文美国保については後述させて頂きますが、文美国保にしていなかったら国民健康保険料は約298,000円の想定でした。
還付が500,000円あったので問題ありませんでしたが、ちょっと機材とかソフトなど大きい金額のものを買って手元資金が少ない状態だと不安になる金額です(^◇^;)
これ+フォント契約とかいろんな更新費とかかかってくるのでお金の管理の大事さが見えてきますね。
それでは、順番にフリーランスクリエイターにおいて基本的にほぼ確実にかかってくるお金のそれぞれの解説をしていきます。
フリーランスクリエイターなら忘れてはいけない1年間に絶対かかるお金の種類
1年間にほぼ確実にかかるお金
すでに僕の参考例でご紹介していますが、これらのお金がほぼ確実にかかってきます。
国民年金
住民税
所得税
個人事業税
国民健康保険
AdobeCreativeCloud契約金
国民年金
記事執筆時点での(2019年5/7)国民年金は16,340円です。
月払いだとすると、1年間で196,080円がかかる計算になります。
お得な手法としては、僕はまだやっていないのですが2年一括先払いが一番お得です。
ちなみに金額はこちら
1年一括払い・・・193,420円(1ヶ月換算で16,118円 月払いより222円お得)
2年一括払い・・・380,880円(1ヶ月換算で15,870円 月払いより470円お得)
クレジットカード払いにするとポイントもついてさらにお得になります。
また、月払いのままにしておいて「投資で運用した方がリターンが大きい」という考え方もありますので、あなたの運用スタイルにあった方法を選ぶと良いと思います。
2年一括払いにした場合は、経理に組み込む際は1年ごとに分けて計上することが可能で、そのほうが微小ながら節税面でお得なようです。
住民税
住民税には都道府県が徴収する都道府県民税と、市町村が徴収する市町村民税(東京23区は特別区民税になります)があります。
住民税は居住地によって額が違いまして、僕の場合は東京都在住なので区民税として住んでいる区で定められた計算式の額が徴収されます。
前年度の所得をもとに計算されるため、大きく稼いだ翌年は手元資金の残し方に注意が必要です。
所得が700万円少々で節税をあまりしていなかった翌年には年間60万円ほど取られたと記憶しています。。。
所得税
所得税とは、個人の所得に対してかかる税金です。
個人では「超過累進課税」が採用されていて、稼ぎが大きくなると税率も高くなるというものです。
ただ、クリエイターの場合は経費も少ないため確定申告の結果「還付」になるケースが多いのではと思っています。
還付の場合は確定申告してから1ヶ月程度で指定の口座に振り込まれます。
この辺はしっかり経理をしていないと本当に損をすることになるので、ちゃんとやることをオススメしています汗
僕は税理士さんにお願いせず自分でやっているのですが、freeeを使うようになってかなり楽になりました。無料期間もあるのでぜひ試してみてください。
フリーランス4年目まで確定申告を適当にやっていた結果損した話
【新参フリーランスへ】青色申告(65万円控除)で簡単に申告するために【おすすめの税理系のYouTubeチャンネルと書籍もご紹介】
個人事業税
事業所得に対してかかる税金です。
8月と11月に支払い
業種に応じてかかる税率が異なりますが、クリエイター業の場合は「デザイン業」で5%になるかと思います。
290万円の事業主控除が一律適用されますので、290万円以下の課税所得ならかからないことになります。
計算式はこちら。
収入(総売上) – 経費 – 青色申告特別控除 = 所得金額
所得金額 + 青色申告特別控除額 – 事業主控除額290万円 = 合計所得
合計所得 × 事業税率 = 個人事業税額
個人事業税のシミュレーションはこちらのサイトがシンプルでわかりやすいです。
https://calculator.jp/money/business
これに関してはYouTubeの方でも解説していますのでよろしければご視聴頂けると幸いです^^
・個人事業税をわかりやすく解説【計算方法、納付時期、意外と知らない?節税方法】
https://youtu.be/4L6CWrtKYBs
国民健康保険
会社を辞めるなりして独立した後、お済みの市区町村の役所で手続きをして支払い始めることになります。
保険料は前年度の所得から計算されますし、市区町村ごとに金額が少し違ったりします。
外部記事ですが、お住いの地域に応じたシミュレーションができるものがありましたので把握しておきたい方は試されてはいかがでしょうか。
【国民健康保険計算機】
http://www.kokuho-keisan.com/
会社員であれば社会保険として会社が半分負担してくれますが、個人なら全て自分で賄わないといけませんので稼ぎが大きかった次の年なんかは大変です。
また、会社員をやめて独立したての年なんかはまだ稼ぎも少ないケースが多いと思いますので、会社員時代の収入が反映された国民健康保険料を支払うことになるので注意が必要です。
クリエイターの場合は収益次第では健康保険料が固定になる健康保険組合の「文芸美術国民健康保険」の加入を検討されるとかなり安くなるケースがあります。僕もこれに入っています。
気になった方はこれらの記事をぜひご一読ください。
フリーランスクリエイターの特権、保険料が安い『文芸美術国民健康保険』とは
フリーランスクリエイターの特権『文芸美術国民健康保険』で国保を安く抑える!!年間所得いくらから得するのか計算/比較して算出
AdobeCreativeCloud契約金
クリエイターであればこちらの契約も税金なみに必須と言えるかと思います。
なので界隈ではAdobe税などと揶揄されて言われていたりします笑
しかし、普通に公式サイトで契約すると72,336円(税込)かかるんですよね。。
これを安くするには、結論から言うと通信講座系のサイトで通信講座と抱き合わせで買えるアカデミックライセンスなら3万円以上安く1年間のライセンスを買うことができます。
やり方や実際にやるとどんな感じなのかはこちらで解説していますので、よろしければご一読ください。
こちらもYouTubeのほうで分かりやすく解説させてもらっています^^
https://youtu.be/HlqPkzXgr_A
紹介内容を踏まえて安くしたケース
どんなに安くしても必須でかかる金額はこんな感じです。
【頑張って安くしても1年間に最低限かかってしまう金額】
国民年金・・・190,440円(2年一括払いの1年分)
住民税(特別区民税)・・・所得次第
所得税・・・所得次第
個人事業税・・・所得次第
国民健康保険(文美国保)・・・238,800円(2020年4月以降)
Adobe税・・・39,980円(税込)
合計・・・469,220円
(+住民税+所得税+個人事業税+場合によっては消費税も)
所得にかかわらずかかってくる金額で470,000円ほどなので、所得次第で変わってくる分も含めた支払い予定としては800,000円くらいは見ておいた方が安心かもしれませんね。
家賃、光熱費、携帯やインターネット料金もあることを考えて手元に残しておく金額はある程度考えておく必要があります。
条件次第で発生するお金
条件次第で払う必要が出てくるものもあります。
消費税
付加年金
消費税
前々年の年間売り上げが1000万円を超えた場合、または前年の1月1日から6月30日まで(特定期間)の売上高が1000万円を越えると消費税を納める必要が出てきます。
ちなみに従業員を雇っていない個人事業主の場合は、この特定期間での判定はなされないようです。
僕はまだギリギリ超えたことがないのですが、1000万円をちょっと超えるくらいの売り上げになってしまった場合、これまで払う必要のなかった請求時にもらっていた消費税分(次の確定申告では10%)取られるって結構手痛いですよね汗
これに関しては令和5年10月1日から「インボイス制度(適格請求書等保存様式)」というものが導入されることが決定していまして、ちょっといろいろ勉強が必要になりそうです。
まだよく理解できていないのですが、免税事業者(売り上げ1000万円に到達していない事業主)に対する支払いの際の消費税が税額控除されないようになるとのことで、免税事業者への依頼が減るのではと懸念されています。
外部記事ですが、こちらで詳しく解説されていましたのでよろしければぜひ。
外部記事 :【税金・消費税改正】インボイス制度導入後の消費税!】
http://www.ibee-tax.com/15384545815376
付加年金
国民年金だけだと受給金額が低くて不安。。
という自営業者には、これを追加で払っておくという手があります。
月々の国民年金保険料に400円の付加保険料を上乗せして支払うと、年間にもらえる年金額が増えます。
詳しくは別途記事にしたいと思うのですが、受給年齢になったら2年で元が取れてあとはひたすら受給を続けられるというハイリターンな制度です。
もらえる金額はこの計算式で求められます。
200円 × 付加年金保険料を納付した月数 = 年間に追加でもらえる年金(付加年金額)
こちらも一括納付が一番お得なようです。
ただ、僕は付加年金はやっていませんでして、その理由についてYouTubeで解説させてもらっています。
https://youtu.be/jkyT9c7FwOw
まとめ
所得税や住民税を下げるには、iDeCoや小規模企業共済、国民年金基金などが掛け金が全額控除になりますので活用すると効果的です。
※付加年金と国民年金基金は同時に利用することができませんのでご注意ください。
特にiDeCoや小規模企業共済はがっつり節税対策にもなってお金も増やしつつ所得税、住民税を下げることができますので重要度は高いと思っています。
このあたりを取り入れる場合は手元資金と投資など金融資産の運用戦略次第になるかと思いますので、無理なくバランスよく組まれることをオススメします。
今回お伝えさせて頂いた中で、もし情報もれなどがありましたら都度追記させて頂きますので僕が気づいていない点がありましたらぜひお知らせ頂けますと大変助かりますm(_ _)m
僕が節税している内容についてはこちらの記事でざっくり一覧でまとめていますので、よろしければお読みくださいませ。
税金などの問題は自営業をやる上では切り話せないところなので、上手く付き合いつつあなたが素敵な個人事業主ライフをお送りできますようお祈りしています。