一定以上の収入があるフリーランスクリエイターにとっては保険料が固定になり超お得な節税手段となる「文芸美術国民健康保険(文美国保)」。
6年ほど前にまだあまり情報が出ていなかったので調べながら以下の解説記事を書いて大変多くの方に読んでいただいたのですが(最近内容更新しました)、
フリーランスクリエイターの特権、保険料が安い『文芸美術国民健康保険』とは
もうひとつ、普通の国民健康保険と文美国保では課税所得がいくらくらいで損益分岐点となるかの記事も書いていました。
フリーランスクリエイターの特権『文芸美術国民健康保険』で国保を安く抑える!!年間所得いくらから得するのか計算/比較して算出
しかし、悲しいことに6年間で国民健康保険料、年金保険料やその他ありとあらゆる税金ももりもりと増えさらにはインボイスなども始まる始末。。。
そんな中この損益分岐点がいくらか変わったのだろうかと気になったので、今回AIの力を借りながら最新版の損益分岐点記事を書くことにしました。
では、本題に入っていきたいと思います。
1. 前提条件
この記事では以下の条件とパターンでシミュレーションしています。
- 課税所得:400万円
(総売上−経費−各種控除 = 400万円) - 居住地:東京都墨田区
国保は自治体により料率が異なるため、ほかの地域だと結果が変わります。 - 文美国保の令和6年度料率
- 組合員本人:25,700円/月
- 内訳:医療19,900円 + 後期高齢者支援5,800円
- 家族会員:15,400円/月
- 内訳:医療9,600円 + 後期高齢者支援5,800円
- 介護保険料(40~64歳):5,700円/月(該当者のみ加算)
- 組合員本人:25,700円/月
- 年齢条件:
- 40歳未満 or 65歳以上 → 介護保険料なし
- 40~64歳 → 介護保険料が発生
1. 墨田区の国民健康保険(ひとり身の場合)
1-1. 墨田区 国保の主な料率(令和6年度のイメージ)
以下は実際の条例や資料をもとにした概算です。
- 医療分(所得割):約7.1%
- 後期高齢者支援分(所得割):約2.2%
- 介護納付金分(所得割):約2.1%(40~64歳の場合)
- 均等割:
- 医療 約42,100円
- 後期高齢者支援 約13,200円
- 介護 約16,600円
1-2. 課税所得400万円(40歳未満 or 65歳以上)のケース
- 医療分所得割:400万円 × 7.1% ≈ 284,000円
- 後期支援所得割:400万円 × 2.2% ≈ 88,000円
- 介護分所得割:該当せず(0円)
- 均等割(医療+後期):42,100円 + 13,200円 = 55,300円
合計は、
284,000+88,000+55,300=約427,300円/年284,000 + 88,000 + 55,300 = 約427,300 \text{円/年}
月: 約35,600円(427,200円)
1-3. 課税所得400万円(40~64歳で介護保険料が発生)のケース
上記に加え、介護分の所得割・均等割が発生します。
- 介護分所得割:400万円 × 2.1% ≈ 84,000円
- 介護分均等割:16,600円
合計は、
427,300+84,000+16,600=約527,900円/年427,300 + 84,000 + 16,600 = 約527,900 \text{円/年}
月: 約44,000円(年528,000円)
2. 文美国保(ひとり身の場合)
2-1. 40歳未満 or 65歳以上
- 組合員本人:25,700円/月(年308,400円)
- 団体会費(VFXJAPANの場合年12,000円)
介護保険料は該当しないので、トータル
320,400円/年
2-2. 40~64歳
- 組合員本人:25,700円/月
- 介護保険料:5,700円/月
- 団体会費(VFXJAPANの場合年12,000円)
- 合計:31,400円/月 → 376,800円/年
トータルでは
388,800円/年
3. 4人家族(全員が文美国保に加入する場合)
3-1. 40歳未満 or 65歳以上だけの世帯なら
- 本人(組合員):25,700円/月
- 家族会員(3人):15,400円/月 × 3 = 46,200円/月
- 計:25,700 + 46,200 = 71,900円/月 → 862,800円/年
3-2. 40~64歳が含まれる場合
- 本人が40~64歳なら「25,700 + 5,700 = 31,400円/月」
- 家族会員も40~64歳なら「15,400 + 5,700 = 21,100円/月」ずつ
たとえば、
- 本人(40~64歳) → 31,400円/月
- 家族A(40~64歳) → 21,100円/月
- 家族B,C(40歳未満) → 各15,400円 → 30,800円/月
31,400+21,100+30,800=83,300円/月31,400 + 21,100 + 30,800 = 83,300 \text{円/月}
→ 999,600円/年
実際には、家族構成や年齢帯によって変動するので要確認です。
4. 4人家族で墨田区の国保だと?
国保は「所得割」だけでなく、「均等割」(人数分)・「介護分(人数分)」が加算されます。
- 医療均等割:約42,100円 × 4人 = 168,400円
- 後期高齢者支援均等割:約13,200円 × 4人 = 52,800円
- 介護対象者が2人いれば、介護均等割16,600円 × 2=33,200円
- 所得割(400万円ベース)についても、世帯主の合算で計算されるなど複雑になります。
ざっくりいえば、家族人数が多いほど国保は一気に高額になりがちです。一方、文美国保は「1人ごとに決まった額」であるため、収入が高く家族が多いほど文美国保の優位性が増すケースが多いのは従来と同様です。
5. まとめ比較表(課税所得200万円~400万円のケース)
■ ひとり身・課税所得200~400万円
※金額はすべて年額。括弧内は月額(= 年額÷12)
課税所得 | 国保(40歳未満) | 国保(40~64歳) | 文美国保(40歳未満) | 文美国保(40~64歳) |
---|---|---|---|---|
200万円 | 241,300円 (20,108円/月) | 299,900円 (24,991円/月) | 308,400円+会費 (25,700円/月) | 376,800円+会費 (31,400円/月) |
250万円 | 287,800円 (23,983円/月) | 356,900円 (29,742円/月) | 308,400円+会費 (25,700円/月) | 376,800円+会費 (31,400円/月) |
300万円 | 334,300円 (27,858円/月) | 413,900円 (34,491円/月) | 308,400円+会費 (25,700円/月) | 376,800円+会費 (31,400円/月) |
350万円 | 380,800円 (31,733円/月) | 470,900円 (39,241円/月) | 308,400円+会費 (25,700円/月) | 376,800円+会費 (31,400円/月) |
400万円 | 427,300円 (35,608円/月) | 527,900円 (43,992円/月) | 308,400円+会費 (25,700円/月) | 376,800円+会費 (31,400円/月) |
- 国保の医療+後期所得割部分は「課税所得×9.3%」
- 介護該当の場合は追加で「課税所得×2.1% + 16,600円」
- 文美国保は年齢で一律:25,700円/月(介護対象者は+5,700円)
少し見づらいですが、大体課税所得300万円あたりから団体に所属するための会費次第では国保と比較してもトントンになる可能性がでてきそうです。
課税所得350万円になってくると会費を入れても数万円はお得になるかなという感じですね。
ちなみに昔の記事での損益分岐点は計算が合ってたかわかりませんが課税所得250万円がラインでした。
■ 4人家族
- 文美国保:
- 40歳未満 or 65歳以上だけの家族構成→年約86.3万円ほど
- 40~64歳が複数いる場合→年100万円近く or それ以上になることも
- 国保(墨田区):
- 家族人数分の均等割、介護分(対象年齢の人数分)などでさらに上昇。世帯全体で100万円を超える場合も多い。
扶養控除なども絡むのでなんともですが、GPTによると多くの場合で文美国保のほうが有利という書き方でした。
6. おわりに
課税所得400万円の場合でも、フリーランスなら国民健康保険が思った以上に高くなることがあります。そんなとき、文芸美術国民健康保険(文美国保)に加入すると負担を大幅に抑えられる可能性が高いです。
ただし、文美国保に加入するには団体への入会が必要(入会費・年会費が数千円~数万円かかる団体もある)ですし、年齢や職種など一定の要件を満たす必要があります。それでも5万~10万円/年単位で差が出ることも珍しくないので、条件に合うなら検討する価値は大いにあるでしょう。
今回の記事はAIによる計算や情報が含まれていますので、最終的には自治体・団体サイトの最新情報で正確な保険料を確認し、計算された上で文美国保への入会条件もチェックしつつ検討するようにしてくださいね。
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました!