先日書いた以下の記事で、小規模企業共済はただ新NISAで運用するよりも2.7倍くらいの成果が出る可能性が低くないという結果になりました。
小規模企業共済を解約して4年経って【借入制度活用と新NISAのみで比較】
この時は思いいたっていなかったのですが、金利が上がってもし仮に、小規模企業共済の存在意義的にあり得るかはわかりませんが貸付時の年利が上がった場合、「この借入を使った方法のほうが損する場合が出てくるよな。。。?」と思いました。
そこで、AIの力を借りてシミュレーションしてみましたので損益分岐点を提示しておければなと思った次第です。
順にみていきましょう。
小規模企業共済借入運用の損益分岐点分析
基本条件
– 運用利回り:5%(固定)
– 毎月の拠出額:30,000円(年間360,000円)
– 所得:400万円
– 節税効果:20.21%
– 運用期間:20年
借入金利別の20年後の実質純資産額
借入金利3%の場合
– 累計運用資産:32,156,847円
– 借入残高:6,480,000円
– 共済残高:720,000円
– 実質純資産:26,396,847円
(新NISA比 +11,647,407円)
借入金利4%の場合
– 累計運用資産:24,589,623円
– 借入残高:6,480,000円
– 共済残高:720,000円
– 実質純資産:18,829,623円
(新NISA比 +4,080,183円)
借入金利5%の場合
– 累計運用資産:17,022,399円
– 借入残高:6,480,000円
– 共済残高:720,000円
– 実質純資産:11,262,399円
(新NISA比 -3,487,041円)
新NISAのみ(比較基準)
– 累計運用資産:14,749,440円
– 実質純資産:14,749,440円
分析結果
借入金利が約5%だと新NISAだけの運用に約350万円も劣るという結果になりました。
結論として損益分岐点がどこだったかといいますと、運用平均利回りが5%の場合金利が4.6%を超えると、借入運用は新NISAのみの運用よりも不利になるというAIによるシミュレーション結果でした。
ちなみに、以下のバリエーションも損益分岐点を出しましたのでご参考にして頂ければと思います。
運用利回り3%の場合、借入金利が約2.7%
運用利回り7%の場合、借入金利が約8.9%
※重要な考慮点
1. この分析は単純な数値計算であり、以下の要素は考慮していません:
– 金利の途中変動
– 借換えコスト
– 運用利回りの変動
– 税制の変更
2. 実務上の懸念事項:
– 高金利時の毎月の利払い負担
– 資金繰りへの影響
– 借換え時の条件変更リスク
まとめ
運用利回り5%を前提とした場合、借入金利4.6%が損益分岐点となります。
また、以下のバリエーションもあります。
運用利回り3%の場合、借入金利が約2.7%
運用利回り7%の場合、借入金利が約8.9%
ただし、実務上は金利が4%を超えた時点で、リスクとリターンのバランスを慎重に検討する必要があるとのことですので、確実にローリスクでお得なやり方かというとそうでもないかなという雰囲気が出てきましたね。
しかし、上記は途中の金利変動を考慮しない単純な計算でして、5%で運用できていたらもし毎年0.3%づつ金利が上がっていくとしても19年8か月の時点で損益分岐点を迎えるようです。
(こちらもAIによるシミュレーション結果ですが。。。)
というところで、今回の記事は以上になります。
最後までお読みいただきありがとうございました!