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引き寄せの法則と生存バイアスを知り惑わされないフリーランスになる

引き寄せの法則と生存バイアス、フリーランスが知っておくべき現実

引き寄せの法則ってご存じですか?
簡単にまとめると「強くイメージすれば、それが現実になる」といったふうに語られることが多いものになります。

たとえば、二人のフリーランスが新規クライアントへの提案に臨む場面を想像した場合に、一人は「自分は十分な準備をしてきたし、ポートフォリオも万全だから、きっと受注できる!」と考えている。
もう一人は「前回のプレゼンがうまくいかなかったし、今回もダメかも…」と弱気な気持ちで臨んでいる。
この場合、前者のほうが自信をもって話せるぶん、成功につながりやすい印象がありませんか?

でも、だからといって「イメージすれば必ず引き寄せられる」わけではありません。勝てると思っていても普通に負ける人はたくさんいます。

問題は、その「負けた人」の声があまり表に出てこないことです。
だって成功した人はXやInstagramなどのSNSで自慢のポストをするので目立ちやすいし、情報としても残りますからね。
しかし失敗した人は恥ずかしい気持ちや悔しい気持ちでなかなかそういったことをポストするのは難しいです。

なので必然的に人の目に触れ易くなるのは成功した人たちの経験談ばかりになります。
これが「生存バイアス」と呼ばれる現象です。

結果として「イメージすれば現実になる!」と唱える成功者ばかりが目につき、あたかもそれが法則であるかのような錯覚を生んでしまうという感じだと思ってます。

占いもこれですよね。当たったら「あの人の言うことは当たった!」と感じて強烈に残りますが、かすりもしなかったらそんな占いを受けたことすら思い起こされず過ぎ去るだけです。そして外れた人は発信はしない中、あの人の占いは当たる!という発信が盛り上がって広がる感じですね。

では、この現象を僕がフリーランスになったばかりの頃を振り返って考えてみました。

半年くらいの仕事がない状態

・メールでいろんな会社に作品やアピールを送ってみた
・イベントに参加していろんな人に名刺をくばり作品をみせまくった
・フリーランス向けの人材紹介会社的なものに登録してみる
・いくつかのクラウドソーシングサービスに作品やプロフィールを載せる
・本意ではない結婚式などの撮影もやる

・貯金がつきかけたころに人材紹介会社がNHKアートを紹介してくれて合格したがフリーランスとしてやっていきたかったので断る

乗り越えた状態

・その直後くらいにクラウドソーシング経由で連絡がきてクライアント獲得につながる
・イベントで声をかけた人から仕事の相談が来る
・辞めた会社から仕事の相談が来る
・それらをこなし紹介がつながっていく
・なんとかなった

とこんな感じでした。
引き寄せの法則自体を完全に否定する気はありませんが、仕事がなかった状態の時にやっていたことがフリーランスとして頑張りたいという思いからただポジティブに念じていたわけではなく、それなりにあがいていた気はしています。

そしてお気づきでしょうか。この一例自体が再現性の見えないたまたま生き残れた結果による生存バイアスです笑

もちろんポジティブな思考やイメージは、行動力を高めたり、周囲への印象を良くしたりと、結果的に成功に近づく助けにはなると思いますし、実際にそれを口に出して喧伝していたらチャンスにつながることも多いです。

これらから言えることは、個人的に考える引き寄せの法則は「努力と行動の後押しとしての心構え」に過ぎないのかなということです。
勝てない日だってあるし、イメージした通りにはいかないことも多いです。

フリーランスとして大切なのは、「うまくいった人の言葉」だけでなく、「うまくいかなかった可能性」「裏での地道な行動」を知ることかなと思います。

ポジティブ思考はあくまで補助輪で、我々の本当の武器は、スキルを磨き、顧客のニーズを探り、地道な営業(コミュニケーション、成果物)を積み重ねること。
そして、失敗してもうまく対処する柔軟性や、現実を客観的に見る視点です。

引き寄せだろうが占いだろうが、結局は行動と努力と意識がカギを握っています。
生存バイアスが生む「成功談だけを見てしまう」傾向に惑わされず、成功も失敗も多面的に捉え、地に足のついた戦略を立てること。それが、フリーランスとして長くやっていくために必要な、本当の意味での「引き寄せ」だと僕は思います。

それでは、最後までお読みいただきありがとうございました!
Inoshita Kazuki
InovativeWorks
フリーランス映像クリエイターの37歳。

実際の経験から過去の自分に教えたいことをメインに,フリーランスに必須だと感じたことを主に発信します。
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