フリーランス

小規模企業共済を解約して4年経って【借入制度活用と新NISAのみで比較】

小規模企業共済を解約して4年半経ってこう考えるようになりました。借入を活用した運用とNISAのみで比較しました

節税に興味のある個人事業主が加入を検討する小規模企業共済。

僕は解約してから4年半が経ちました。(この動画から早くも1年が経過しました。。)

今年は新NISAもスタートし、資産運用の選択肢も広がりましたよね。

この記事では、実際に解約した経験者として上記動画にて頂いた、自分だったら気になるなと思ったコメントに答えさせて頂き、また小規模企業共済の借入制度を活用して運用をした場合どのくらい違いが出るのか気になったのでAI先生に力を借りながら比較してみました。

では、早速進めていきたいと思います。

気になるコメントは二つありました

一つ目は、結局辞めてよかったのか悪かったのかどっちなの?というコメント
二つ目は、小規模企業共済に入ったばっかりだけど、運用のほうが成績いいからやめようかな?

というものです。

一つ目の自分なりの結論

まず、ひとつめの結局辞めてよかったのか悪かったのかどっちなの?について結論を出していきます。

これは前回の動画でお伝えしていたつもりでしたが、表現としてあいまいだったなと感じ反省しています。

結論としては、辞めずに借入を活用して運用するのがベストだと考えます。

ただし、実際に実行したわけではないのと専門家ではないため借入時の利息のことや細かいリスクについて把握できていない点もあり、断定的なことは気軽に言うべきではないのかなというところです。

そういう文脈から、辞めて運用してただ小規模企業共済をやってただけよりはリターンが出ているという点では辞めたのはベターではありましたが、借入制度をうまく活用できれば後ほどシミュレーションしますがよりリターンが期待できた可能性がありました。

具体的に理想的な流れは以下の組み合わせです:
– 小規模企業共済に加入して節税効果を得る
– 借り入れ制度を活用して資金を確保
– その資金を新NISAで効果的に運用する

僕の場合、解約時点では借り入れ自体は知っていましたがそれを活用して運用までいたらず、中途半端なのもイヤだったので情動的に解約しました笑

この結論に至ったということは解約は失敗だったのかもしれません。

二つ目のコメントへの自分なりの解答

二つ目のコメント、小規模企業共済に入ったばっかりだけど、運用のほうが成績いいからやめようかな?への今の自分なりの解答。

もし今の僕が小規模企業共済に加入したての立場だったら、以下のようなアプローチを取ると思います:

1. とりあえず継続して最低額でも続けておく(余力があるなら可能な分拠出もあり?)
2. 加入期間を稼ぐ(12ヶ月以上必要&貸付資格判定時(4月末・10月末)までに資格要件として合計10万円以上を拠出)
3. 借入可能になったら1.5%の利息を払いながら借りて新NISAで運用する

なぜ加入期間を稼ぐのかといいますと、掛金納付月数により掛金の7~9割が借りられるという仕組みが採用されています。

これをクリアしていくためには12ヶ月以上の加入期間が必要です。
なので、辞めるにしても加入仕立ての場合は廃業でもなければ損してしまうので、とりあえず低い額でも拠出しておき借り入れに備えて最低限の条件を整えておくという考え方です。

新NISAだけと、小規模企業共済借入活用ではどのくらい差がでるのか

では、比較をしていきます。条件はこちらです。
例によって、計算はAIによって行ったので違う場合もあるかもしれませんがご了承ください。
また、利息の部分の考え方があっているかわかりませんのでそちらも最終的に判断される際には専門家の方の意見を仰いでください。

・初年度は借入できないためN/Aとする
・毎月3万円の拠出(NISAだけのほうは毎月3万円の積み立て)
・借入割合の変化も反映(年ごとに7~9割に変化していくため、借入金額が変わる)

・年利として払う分も計算
・小規模企業共済には7~9割借り入れ後いくら残るのか
・住民税と所得税も浮いた分を都度運用に回す
・それらの合計を新nisaで年率平均5%運用できたとする
・所得は400万円という想定
・運用期間は20年

小規模企業共済+借り入れ運用の場合(月額3万円)

結論から書きますと、以下が20年経過後の成績です。

小規模企業共済(月額3万円)借入あり+新NISA運用(年率平均5%想定)

NISA運用残高47,290,698円
共済残高(90%しか借りられないため)720,000円
合計48,010,698円の手残り

📊 シミュレーション条件(通常ケース)

  • 運用利回り:5%
  • 借入金利:1.5%
  • 毎月の拠出額:30,000円(年間360,000円)
  • 所得:400万円
  • 節税効果:20.21%

小規模企業共済借入運用パターン(通常ケース)

年度 積立総額 借入可能額 借入後残高 節税額 運用可能額 借入金利 運用収益 累計運用資産
1年目 360,000 0 360,000 72,756 72,756 0 3,638 76,394
2年目 720,000 504,000 216,000 72,756 576,756 7,560 32,480 678,070
5年目 1,800,000 1,620,000 180,000 72,756 1,692,756 24,300 242,552 5,094,582
10年目 3,600,000 3,240,000 360,000 72,756 3,312,756 48,600 728,855 14,187,593
20年目 7,200,000 6,480,000 720,000 72,756 6,552,756 97,200 2,431,183 47,290,698

新NISAのみパターン(5%運用)

年度 年間投資額 運用収益 累計運用資産
1年目 360,000 18,000 378,000
2年目 360,000 36,900 774,900
5年目 360,000 99,461 2,088,688
10年目 360,000 235,434 5,069,018
20年目 360,000 669,472 14,749,440

🎯 20年後の最終結果

小規模企業共済借入運用パターン

  • 累計運用資産:47,290,698円
  • 借入残高:6,480,000円
  • 共済残高:720,000円
  • 実質純資産:41,530,698円

※借り入れとはいえ自分のもとに戻ってくるお金なのでひとまず48,010,698円の手残りを結論としています。ただ小規模企業共済を受け取る際の税金などは考慮していません。

とはいえ小規模企業共済から受け取る場合、20年で廃業したとすると約700万円程度の想定なので、nisaの非課税運用益があることを考えると税金も大したことはないと思えるかもしれません。

新NISAのみパターン

  • 累計運用資産:14,749,440円
  • 実質純資産:14,749,440円

結果を比較しますと、

小規模企業共済(月額3万円)借入あり+新NISA運用(年率平均5%想定)
合計48,010,698円の手残り

新NISA運用のみ(年率平均5%想定)
合計14,749,440円の手残り

差額はなんと、
33,261,258円

月3万円を20年なら割とリアルな金額ではないでしょうか。
30歳から始めたとしたら50歳で4800万円手元に作れることになります。

これはなかなかですよね。

もちろん把握しきれてないリスクや、仮にオルカンだったとしたらドルが暴落したりした日にはパフォーマンスもダダ落ちなのですが、NISAのみでも運用先が同じなら結局同じ食らい方をしますのでそれなら小規模企業共済での借入アリがやはりいいのかもしれません。

運用先がとんでもない暴落の仕方をしてドルがダダ下がりした場合、運用先にもよりますが借入した金額をNISA運用額が下回る可能性もゼロではありません。

そうなった場合、元本回復するまで相当な日数が掛かる危険性があるということも念頭に入れておく必要は絶対にあります。(オルカンの場合15年運用すれば元本割れはないという情報もありますが、今の世の中何が起こるかわかりませんので、、、)

借入制度に何かしらの変更や運用に対する何かしらの変更があるというリスクも考えられます。

利息まわりや計算方法の詳細については緩い部分が絶対にあるかと思いますし、所得も掛金も20年間同じというリアリティの低いシミュレーションではありますので、、この情報をうのみにはしないで、自己責任の元、専門家の助言を絶対に受けるようにして頂きたいと思います。

これは投資助言の類ではなく単なる一素人の狸の皮算用シミュレーションです。

ちなみに、仮に年率平均が3%に下がり、金利も3%に上がった場合のシミュレーションも念のためやってみましたのでおいておきます。

📊 シミュレーション条件(最悪ケース)

  • 運用利回り:3%(通常5%→3%に低下)
  • 借入金利:3%(通常1.5%→3%に上昇)
  • 毎月の拠出額:30,000円(年間360,000円)
  • 所得:400万円
  • 節税効果:20.21%

小規模企業共済借入運用パターン(最悪ケース)

年度 積立総額 借入可能額 借入後残高 節税額 運用可能額 借入金利 運用収益 累計運用資産
1年目 360,000 0 360,000 72,756 72,756 0 2,183 74,939
2年目 720,000 504,000 216,000 72,756 576,756 15,120 19,098 451,673
5年目 1,800,000 1,620,000 180,000 72,756 1,692,756 48,600 89,801 2,737,341
10年目 3,600,000 3,240,000 360,000 72,756 3,312,756 97,200 223,120 6,874,017
20年目 7,200,000 6,480,000 720,000 72,756 6,552,756 194,400 559,321 17,237,694

新NISAのみパターン(3%運用)

年度 年間投資額 運用収益 累計運用資産
1年目 360,000 10,800 370,800
2年目 360,000 21,924 752,724
5年目 360,000 58,772 2,017,496
10年目 360,000 135,177 4,509,233
20年目 360,000 365,978 10,239,560

🎯 20年後の最終結果

小規模企業共済借入運用パターン

  • 累計運用資産:17,237,694円
  • 借入残高:6,480,000円
  • 共済残高:720,000円
  • 実質純資産:11,477,694円

新NISAのみパターン

  • 累計運用資産:10,239,560円
  • 実質純資産:10,239,560円

差額

17,237,694万円ー10,239,560円

6,998,134円(借入運用が有利)

当然差は減りますがやはり小規模企業共済借り入れ活用が勝っています。
この差額に対してリスクをどう考えるかというところですね。

借り入れ運用の懸念点5つ

上記でも書きましたが、今一度借り入れ運用には以下のようなリスクがあることを認識しておく必要がありますのでまとめておきます:

1. 金利変動によるなにがしかの影響(特に、利息においては”なお、利率は金利情勢等を踏まえて設定されます。”という記載がありますので、今後日本が利上げが続いていい利率になってしまった場合、1.5%では済まなくなったりすることもあるのかもしれません。)
2. 運用が失敗した場合の返済負担
3. 借り入れ限度額による制約
4. 資金繰りの複雑化
5. 予期せぬタイミングでの返済要求の可能性

## 重要な注意点

– 自己破産時の資産保護について:借り入れをしている場合の保護範囲が不明確
– 借り入れ運用には未知のリスクが存在する可能性
– 個人の事業状況により最適解は大きく異なる

## まとめ:僕の現時点での評価

4年半経った今の評価としては、借り入れ運用のスキルと知識があれば、小規模企業共済は借入+運用を前提とするならやはり有効な選択肢の一つだと考えます。

ただし、これはあくまで個人的な考えと計算による結果であり、最終的な判断は個人の状況によって大きく変わります。

特に以下の点を考慮することをお勧めします:

– 事業の安定性
– 資金運用の知識・経験
– 長期的な事業計画
– リスク許容度
– 金利の変動による借入利息の高騰?
– 貸し付けた分を返済し、受け取る際に税金が発生するはずなのでそこをどう考えるか

何度も書きますが、この記事の内容はあくまで個人の経験と見解であり、またシミュレーションはAIによる計算や不正確な可能性のある計算方法を含みますので、最終的な判断は専門家に相談することを強くお勧めします。

小規模企業共済の詳細については、中小機構の公式サイト(https://www.smrj.go.jp/kyosai/skyosai/)でご確認ください。

とにかく今後日本では金利が上がっていく方向なような気がしてまして、そのあたりがどう影響してくいくかというのは未知なのでその辺も含めてリスクを取れる方は借入の検討の余地があるかなというところでした!

それでは、長くなりましたが最後までお読みいただきありがとうございました!

Inoshita Kazuki
InovativeWorks
フリーランス映像クリエイターの37歳。

実際の経験から過去の自分に教えたいことをメインに,フリーランスに必須だと感じたことを主に発信します。
\ Follow me /