ここ最近、X(旧Twitter)上で公開されている「Grok」や「xAI」などのAI機能への取り組みが話題になっています。
絵師さんの界隈なんかではかなり荒れてましたし、映像界隈でも投稿した動画を学習され続けたらいつかいやな目にあうかもしれませんよね。
Xは、ユーザーの公開投稿ややり取りをAIモデルのトレーニングに活用する方針を明らかにしています。たとえば、あなたの画像・動画・テキストなどの投稿も、「公開データに加えてトレーニングや調整に利用する」設定がオンになっている場合、XのAIモデル改善に使われる可能性があります。
「自分の作品を勝手に学習データに使われたくない」
「投稿したクリエイティブなコンテンツをAIに取り込まれたくない」という人も多く、実際にほかのSNSに行ってしまったりアップする画像には透かしや何かしらの工夫をするようにしはじめた人も多かった印象です。
そこで今回は、Xの設定でどこまで学習データから除外できるのかを簡単にまとめてみました。
問題の設定箇所とは?
Xには「設定」→「プライバシーと安全」という項目があり、その中に「データ共有とカスタマイズ」というセクションがあります。ここに「Grokとサードパーティコラボレーター」というメニューがあり、以下のオプションが存在します。
- 「公開データに加えて、GrokおよびxAIでのやり取り、インプット、結果をトレーニングと調整に利用することを許可します。」
このオプションをオフにすることで、X上でのGrok利用やインプット、結果などをxAIによるモデルトレーニングに使用させない設定が可能になります。
ここで気になるポイント
「じゃあこのチェックを外せば、自分のポストや画像、動画がまったく学習に使われなくなるのか?」
結論から言うと、完全には防げない可能性があります。
なぜなら、この設定は「公開データに加えて、GrokやxAIでのやり取り、インプット、結果を…」と明記されています。つまり、「公開データ」はもともと利用対象に含まれている前提で、このチェックは「追加的なデータ利用(Grokとのやりとり・インプット・結果)」に関する許可の管理です。
公開アカウントで投稿している場合、その公開ポストは、基本的に他のユーザーにも見える「公開情報」であり、XのAIトレーニングでも依然として利用される可能性があります。ここでいう「学習されなくなる」という期待には答えられない可能性があるのです。
完全に学習させたくないなら?
もし本当に「自分の作品や投稿をXのAIが学習データに使うのは絶対に嫌だ」というなら、現状とりうる対策は以下になるようです。
- アカウントを非公開(鍵アカウント)にする:
アカウントを非公開にすると、あなたの投稿は公開データにならず、「すべてのユーザーに見えるもの」ではなくなります。これにより、XのAIモデルトレーニングで使われる可能性が極めて低くなります。ただし、相互フォロワーには見えるため、フォロワーからの共有には注意が必要。 - 該当設定をオフにする:
上記の「公開データに加えて…」のチェックを外すことで、少なくともGrokとの直接的なやり取りやインプット、結果がトレーニングに使われることは防げます。
ただし、これはあくまで「公開データ以外の追加利用」を制限するものです。あなたが「Grok」を使って何らかのインプットを行った場合、それがトレーニングに使われることを防ぐことができるという程度であり、もともと公開されているツイートが学習材料になることを100%防げるわけではありません。 - そもそもXで作品を公開しない:
極論ですが、どうしても嫌ならXというプラットフォームを作品公開の場所にするのは避けるべきです。他のクローズドなプラットフォームや有料コミュニティ、あるいは自前のサイトで限定公開するなど、外部に自動的に学習されない手段を選ぶことも一案です。
まとめ
Xの設定画面にある「公開データに加えて…」のオプションをオフにしても、あなたの公開投稿(画像、動画、テキスト)がまったく学習されないとは言い切れません。あくまで、GrokやxAIとの「追加的なやり取り」を学習に使わせないための設定であり、公開状態のコンテンツは引き続き学習対象になる可能性があります。
もし、Xによる学習から完全に作品を守りたいなら、非公開アカウントへ切り替えたり、X上で作品を公開しないといった根本的な対処が必要です。現行のXの仕様を踏まえると、少なくとも2023年末時点では、公開作品の完全な「学習拒否」手段は存在しないと言えるようです。
どこにアップしても転載する人もいるのでなかなか難しい問題ではありますが、Xはかなり身近な存在なのでどのように距離を保っていくか今後は我々人間も学習していかなければいけないかななんて思った次第です。
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました!