「フリーランスは会社員の3倍稼がないと意味がない説」はご存知ですか?
という感じによるところから来ているのだと思います。
これについて、
・税金などを含めた実質的な手残りのお金を
・会社員とフリーランスで同じ収入条件で比較/シミュレーションして出しつつ
・幸福度なんかの面からも見ていき
結論を出しています。
僕自身25歳からフリーランスをやって来て現在9年目になりますが、今回の結論は腑に落ちた感じになりました。
僕がフリーランスなので多少重心がそっちによってしまっているのかもわかりませんが、フリーランスに興味がある方、現在フリーランスの方には明るい情報になるかと思います。
誰かにマウントを取られた時に向けて是非最後までお読み頂ければと思います。
ちなみに、こちらはYouTubeでお出ししている内容になりますのでBGM的にお聞きいただく場合は以下をご利用ください。
フリーランスは会社員の3倍稼がないといけない?
流れとしましては
・同じ条件で手残りの金額や条件的なところを比較して数字を出しつつ
・幸福度はどっちがどのくらい高いのか触れていき
・最後にじゃあ結論としてはどうなんだ?
っていう感じでお伝えしていきたいとおもいます。
お金的なところの比較
それでは、まずお金的なところの比較からしていきたいと思います。
比較の内容としては、お互いシンプルにするために以下条件で計算していきます。
・家族なし
・東京の7万の賃貸に一人暮らし
・月30万円の売上
・会社員においては総支給額
※確定拠出年金とか医療費控除とか会社員フリーランス両方ができるものは計算しないことにします。
フリーランスの特権的なもので有効な小規模企業共済と文美国保は比較として重要なので勘定に入れたものも別途出していきます。
フリーランスのケース(節税無しバージョン)
計算に当たっての条件としては、以下になります。
・在宅フリーランス
・毎月平均で30万円売り上げ
・青色申告65万円適用
・経費年間30万円
この経費はどうするか悩みましたが、経費が増えると単純に手取りが減っちゃうので、今回はシンプルに比較するために家賃と電気代の3分の1を按分(事業として使ってる経費になる分ですね)として入れたものでキリの良いところで30万円とします。
早速この条件でシミュレーションできるサイトで数字を出してみた結果が以下になります。
・年金196,920(月あたり16410円)
・国民健保413874(月あたり34,490円)
・個人事業税は20000円(月当たり1667円)
・所得税129,500円(月あたり10,792円)
・住民税174,800円(月あたり19,567円)
これらを売上から差っ引いて実質月々手取りに計算しなおすと
192,076円となります。
ここから家賃と電気代を引くと、
192,076円-76,000=116,076円の手残りという感じですね。
※実際は水道ガスとか食費などもありますが、それは経費に絡まないものとして今回は無視しています。
フリーランスのケース(節税有りバージョン)
さらにフリーランスならではの節税方法も多少取り入れたバージョンも見てみますと、
仮に小規模企業共済を月3万3000円でやったとして所得控除分税金が減った数字ですと
月々の手取りが192,076円から198,367円になります。
さらに文美国保にも加入したとすると年間175,074円(月14,590円)安くなって
212,957円の手取りになります。
ここから、家賃と電気代を引いた実質手残りとしては
212,957-76000=136,957円で、
さらに小規模企業の33,000円においては貯蓄みたいなものなので
節税の工夫をちょっとした場合のトータルは
実質的には月々169,957円の手残り
ともいえる感じになりました。
会社員のケース
次に会社員のケースで見ていきます。
条件としては以下になります。
・残業台とか込みで
・月平均30万円の総支給
・交通費は手当で賄えてるとして無視
・ややこしいのでボーナスもないものもしくは含まれてるものとする
このシミュレーションを所得税、住民税簡易計算機というサイトで行ってみますと、
・社会保険料で177,660円(月当たり14,805円)
・厚生年金保険料329,400円(月当たり27,450円)
・所得税の源泉徴収59,760円(月当たり4980円)
・雇用保険料10,800円(月当たり900円)
・住民税152600円(月当たり12,716円)
となり、実質月々手取りに換算すると
239,148円となります。
ここから家賃と電気代を引くと年84万(月々7万円)+電気代年48,000円
(※電気代は家にいない分少し安いとして月4000円の設定にしています))
こうして算出できた会社員の実質的な月々の手残りは
165,800円になりました。
フリーランスではある程度節税の努力をして169,957円の実質手残りでしたので、差額で見ると4,157円フリーランスの方が手残りが多いと言えます。
ちなみにフリーランスで小規模企業共済と文美国保の節税努力をしなかった場合は53,881円会社員のほうが多くなっています。
ただ、会社員においては
+厚生年金で支給される年金額は2~3倍近くなることが想定されます。
これは現時点での年金支給額の平均が国民年金55,000円、厚生年金147,000円ほどですので3倍近いと言えるところからです。
さらに会社員なら
・傷病手当金
・有給
・産休/育休
もあり、さらに
・不況になった際に倒産や解雇がなければ仕事がなくてもそれなりに安定したお金が入る
という面が非常に強いと思います。これは2020年3月~のコロナ禍においてフリーランスならではのリアルな体感として感じました。
年金の差額が単純に9万円ほどなので、これら会社員の利点の金銭的価値を(安いかもしれませんが)仮に月12万円程と仮定したら
・節税努力をしたフリーランスで会社員に115,000円ほどの負け
・節税努力をしてなければ会社員に170,000円ほどの負け
とほぼ倍額の手残りの差になると考えられます。
さらにフリーランスにおいてのネガティブ要素として、今後「インボイス制度」によって今回のシミュレーションのケースにおいては更に年360万円の売上の10%(2021年3月時点での消費税率)の36万円(月々3万円)を納める(手取りが減る)ことになります。
加えて、フリーランスでは確定申告がちょっと面倒だったり営業や経営面を全て自分でやるというリスクも負うという面もあります。
これらのことなんかも考えると、やはり
節税努力をしていないフリーランスでは2~3倍ほど稼いでやっと見合うかな
と言うところで、
少しの節税努力をしているフリーランスなら1.5倍~2倍くらい稼いだら見合うのかな
という感じになります。
ここまで見てきた数字的な面で言うと、フリーランスは3倍稼がないといけないという説は割と妥当な結果と言えます。
お金以外の面ではどうか?
ただ、これだけだと本質に触れられてないと思ってまして、
何かっていうと、労働時間または拘束時間とか、やりがいなんかからくる幸福度の違いです。
というところでここからは幸福度的な面について統計などを見つつ比較していきます。
フリーランスの方には結果として明るい情報だと思います。
労働時間の比較
まず会社員の労働時間の場合ですと、土日祝日が休みとして、平日は通勤込みで月の22日は10時間以上労働に拘束される可能性が高いです。
さらに大変な人だと人間関係での気苦労なんかもあるでしょうし土日勤務もあるかもしれません。
はたまたフリーランスで月30万円というと、あくまでも僕の相場感覚ですがゆるく見て10日くらい、労働時間で言うと1日4~6時間ほどの労働で稼げるイメージになっています。
もちろん、僕の感覚だけだと説得力がありませんので統計データをもってきました。
中小企業庁が出している「フリーランスの実態」というデータなんですが、2015年のものになっちゃうんですがそれを見ると
・1日の労働時間7時間が8.5%
・8時間が23.9%
・9時間以上働いてる人の合計は24.6%
・6時間以下の労働時間の合計が43%
参照元 : 中小企業庁「フリーランスの実態」
となっていて、あくまでも統計上ですが実態としても
4割ちょっとのフリーランスが6時間以下の労働時間になっているとのことです。
8時間以下で言えば約7割にものぼります。
つまり、会社員の方の多くが使わざるを得ない1日の残りの2~4時間とかを
・本業の別案件
・他の事業
・ストック性のあるブログやYouTube
などに充てることで収入の底上げや後々のストック収入につなげることもできますし、運動や読書などの自己投資に時間をあてることができたりします。
満足度/幸福度
もうひとつ重要な要素でいうと、日々の満足度の面でも見てみる必要があります。
こちらは「フリーランス協会」というところが出してくれている資料で「フリーランスと会社員の満足度」のグラフなんですが
一目瞭然でフリーランスの方が満足、非常に満足の合計が多くなっています。(画像が少し見づらくてすみません(;^_^A)
全般の数値を見ると、以下のようにえげつない差が生まれています。
【満足以上の数値】
フリーランス・・・73.5%
会社員・・・わずか29.8%
不満である、大変不満であるの合計もフリーランスでは全般の数値を見ると11%とかなり低い数字になっていて、会社員では28.7%と3割近くの人がもやもやしながら仕事しているという感じになっています。
この満足度と不満度の数字的を見てみると、生活の幸福度的にはフリーランスの方が平均して2.5倍くらい幸せと考えられます。
結論
つまり、最終的に結論として今回の内容をまとめると
単純に同額で考えると収入や保障的には会社員の方が1.5~3倍くらい有利としつつも、
フリーランスは時間的、生活的な自由が高く、労働時間も少なく済む可能性が高いのでその空いた時間をつかってさらに仕事をしたり、ストック所得や勉強に時間を費やすことで長期的にはより良い生活を構築しやすい働き方と言えそう
という感じです。
実際僕も会社員時代は会社の都合とか上司とかの案件の手伝いみたいなので自分の仕事をどれだけ早く終わらせても終電になっちゃったり泊りになったりしていて生活への悪い影響が大きかったです。
しかし、フリーランスになってそういった面や通勤時間がなくなっただけでもかなり満足していますし、家族とのふれあい時間も毎日余裕で取れてるので現時点では会社員に戻るという選択視はない感じです。
さらに言いますと、ここ2年半くらいの中で副業に取り組んできた結果、毎月3~5時間くらいの実働時間で15万円くらいは割と安定して稼げるようになってきましたので先ほどの空いた時間でさらに生活の向上が見込めるという面も現実化してきています。
そのあたりの数字はYouTubeで公開していますので、よろしければ何でどのくらい稼げるものなのか推移をご参考にして頂ければと思います。
まとめ
というところで「フリーランスは会社員の3倍稼がないといけない説」は、短期的な金銭的価値で月々の収益を同額で見ると本当と言えますが、
生活の質、いわゆるQOLにおいてはフリーランスの方が逆に2~3倍近く高く、
会社員よりは労働時間が少ないという面を活かしてストック所得などで稼げる仕組みやスキルをコツコツと構築していければいずれは労働時間の対比で言うと会社員の10分の1以下の労働時間で同額を稼げてストレスの少ない生き方ができる可能性は十分にある
というまとめになります。
もちろん会社員の方でも労働時間が少ない方はいますし、空いた時間でストック性のある副業を育てれば同様の考え方はできますのでどっちが有利という話ではありません。
ただ「フリーランスは3倍稼がないとだめなのかな?」なんて不安に思って二の足を踏んでしまっている方に向けて今回の情報が多少なりエールになれば嬉しいかなと思っています。
今後もフリーランスのお金のことや今回のようなフリーランスにおいて知見になるような情報を出していきますので、まだでしたら是非ブックマークなどをしておいて頂ければと思います。
また、少しでもいいなと思ってもらえましたらSNSでのシェアなども大変励みになりますのでお願いできましたら大変幸いですm(__)m
それでは、あなたの最高なフリーランスライフを心より応援しております。